今日9月30日は『National Day for Truth and Reconciliation(真実と和解の日)』
昨年2021年に制定されたばかりのカナダの新しい祝日です。実は祝日と言っても全くおめでたい日ではなく、カナダの歴史の中で最も辛く悲しい出来事を繰り返さないための決意の日でもあります。
今日はこの祝日ができた背景にあった出来事とカナダの今、そしてこれからを見ていきましょう。
カナダの歴史を知ろう
カナダの歴史は日本に比べると浅く、建国は155年前の1867年のこと。日本の建国が紀元前660年で今年で2682年ということを考えるとても歴史が浅い国です。
大陸としてはアメリカ大陸発見と同時に発見され、17世紀初めにフランス人が入植し、後にイギリス領となります。
ただ、発見をしたというのは、発見した側の意見であり、そのずっとずっと前からカナダ大陸は存在しましたし、そこに住んで生活している人は大勢いました。その人たちを先住民と言います。(ここでいう先住民とはファーストネーションズ、メティス、イヌイットです)
カナダでは建国前の1830年から1990年まで政府とカトリック教会によって先住民の同化政策が行われていました。つまり先住民の文化や言語を廃止し、入植してきた白人系ヨーロッパ人の文化や言語に統一するという政策です。
合計約15万人以上の子どもたちが親元から強制的に引き離され、寄宿学校(レジデンシャルスクール)に入れられ、母語の使用や文化的な活動を行うことが禁止されました。しかも寄宿学校では日常的な虐待が横行しており、これまでに4000人以上の子どもたちの遺体が見つかったのです。子供たちの親にはその学校で起きたことは知らされず、多くの子どもたちは地元のコミュニティーにも戻ることができなかったため、かろうじて生き延びた生徒の証言により事実が発覚したのです。
このような悲しく痛ましいい歴史を持つカナダでは政府と先住民の間に大きな亀裂がありましたが、2008年当時の首相であるステファン・ハーパーがこの歴史的出来事について政府として正式に謝罪し、この歴史的な事件を調査することになりました。それにより寄宿学校による質の低い教育制度が生徒の生涯年収の低さに影響したこと、日常的な虐待や性的暴行が行われていたことが明らかになり、その後カナダ政府はこの出来事で被害を受けた約25000人に補償も行っています。
カナダのオレンジシャツデーとは?
カナダで行われたこの悲惨な歴史を忘れず、これからを担う次の世代に語り継ぐ目的として、2013年にはOrange shirt day(オレンジシャツデー)が作られました。なぜオレンジシャツかというと、ウィリアムレイクというBC州のとある町にあった寄宿学校の初日に、先住民の生徒Phyllisさんという女性が、着ていたオレンジのシャツを取り上げられたという話がきっかけとなり、「全ての子供は平等に尊重されるべき」との考えのもと、オレンジシャツデーにオレンジのシャツを着ることで、人権問題や差別問題について問題提起をし、それを考える日としているのです。
2020年にはオレンジシャツデーを祝日とする法案が提案され、2021年にさらに215人の子どもの遺体が無記名の墓から発見されたことを機に6月には政府によって正式に祝日として認められました。そしてその祝日が、『National Day for Truth and Reconciliation(真実と和解の日)』です。
カナダが考える多様性とは?
カナダで学校の先生やホストにこれやっていいのかな?こんなことしてみたいなという話をすると、「Just do it !! You are entitled to it.(やってみなさい、あなたにはそれを得る当然の権利があるよ)」と言われたことがあります。
私の権利とあなたの権利は平等であり、やりたいことや思考は誰にも邪魔されず、尊重されるものである。世界で最も多くの国から移民を受け入れているというカナダらしい考え方です。
カナダ人に行った興味深い調査があります。それは、カナダと聞いてどんな価値観を考えますか?という問いに対し、回答した92%の人が『人権』をあげていることです。カナダ人はカナダを『人権を尊重する国である』と思っているということです。
参考:GSS https://www150.statcan.gc.ca/n1/pub/89-652-x/89-652-x2015005-eng.htm
そのような国になったのは、上記のように悲しく辛い歴史から学び、検証と反省を繰り返しながら、国や地域、性別や年齢、環境や宗教などありとあらゆる違いによる差別は許さないという強い決意が国民ひとりひとりに根付いているからなのでしょう。
カナダにはピンクシャツデーもある?
さて、オレンジシャツデーの他にも、ピンクシャツデーがあります。日本でも少しずつ広まってきたこの運動は、実はカナダ・ノバスコシア州の高校からスタートしました。
ピンクのシャツを着て登校した男の子がゲイだとからかわれ、ショックのあまり帰宅してしまったことを聞いた上級生が、その日のうちにSNSに『こんなことでいじめるなんておかしい、自分が着たい服をきる、自分らしく生きる、それができる学校生活であってほしい、もし賛同するなら明日ピンクのシャツを着てきてほしい』と投稿しました。
次の日学校に行くと、メッセージを送った何十倍もの生徒がピンクのシャツを着て、シャツを買えなかった子はピンクのアクセサリーやリストバンドをつけ、髪をピンクに染めて登校したのです。
いじめを見てみぬふりをするのではなく、自分たちの行動でいじめ撲滅を訴える、この活動は瞬く間に世界に広がりました。
いかがだったでしょうか?今のカナダからは想像できない悲しい歴史、それを教訓にこの155年しか歴史の無い若い国は、世界でもTOPの多様性を受け入れる人権尊重の国として発展しています。
留学生に優しい国、住みやすい国のランキングでも毎年TOP3に入る理由がわかりますね。
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