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バンクーバーの消防隊員追悼セレモニーに遭遇

Published : 2022年04月23日
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カレッジの授業中なのに

先日、授業中に先生が「今日は何かのセレモニーがあるらしい。大きな国旗がセッティング中だ。」と教室のロール・カーテンを少し押しのけて窓から外を覗きました。私も同じようにカーテンの隙間から覗いてみると、「大きな」どころではない「巨大な」国旗が上がり始めていました。トップ画像がその様子です。一緒に写っている消防車と比べてみるとその巨大さがわかって頂けるでしょうか。

バスも通る片側3車線の主要道路を完全に封鎖してセッティングをしていました。なんという偶然か、私のカレッジの目の前の道路なので遮るものも無く全貌が良く見えます。先生も私達も作業を止めて、様子が一番よく見える教室に野次馬しに行きました。私達のコース担当のもう一人の先生はその日授業は無かったのですがカレッジにいて、早々に一番良い場所でまったり野次馬していました。

「これだけの規模だからセレモニーが行われるのは授業が終わった頃じゃないかな」と先生が言うので教室に戻り作業を再開しました。「数日前にガスタウンで起きた火事で殉職した消防隊員の追悼セレモニーらしいとxx先生が言っている。この規模のセレモニーが行われるということはかなり上層の肩書きのある消防隊員だろう。」との情報も入ってきました。その時に見えていたのは巨大な国旗だけだったので、どんなセレモニーが行われるのだろうかとワクワクしていました。

暫くすると吹奏楽の演奏が聴こえ始めました。「先生!音楽が聴こえるのですが、マーチが始まったんじゃ?」と野次馬根性爆発の私は先生に声を掛けました。またロール・カーテンの隙間から外を覗いた先生が「本当だ、皆が動いているよ!」と、セレモニーが行われている真上にある角部屋に行きました。先生が行くなら私も!と我々学生も授業そっちのけで野次馬に行きます。ランチタイムまであと少しの時間帯でしたが、セレモニーが待ってくれるはずもないので、見どころを逃すまじ!と皆で野次馬になりました。

授業そっちのけで先生も学生も窓に張り付いて写真やらビデオやら撮影してワイワイやるなんて少人数クラスでアットホームな小規模カレッジだから出来たことでしょうね。

吹奏楽隊員のマーチが終わり、正装した消防隊員たちが敬礼して両脇に並ぶ中を、霊柩車、ご遺族を乗せた車、消防車などが何台も連なって進んでいきました。全ての車両が通過してセレモニーが終了です。

この時点で既にランチタイムだったので、授業には戻らず、そのままランチタイムになだれ込みました。ビルの上から撮るべき画はもう無いので、アングルの問題から撮りきれなかった遠くに見える数百人の消防隊員たちもカメラに収めたいと私もとにかく階下に降りました。

道路の封鎖はまだ解かれていなかったので、道路の真ん中に出て巨大なカナダ国旗を真正面から撮ることができました。青い空を背景に道路の真ん中にぽっかり浮かんで風にたなびく巨大国旗は壮観でした。私はカナダの市民権どころか永住権さえ獲っていませんが、それでもなんだか誇らしく感じました。

セレモニーが終わった瞬間に「解散~!」という感じで参加していた消防隊員たちは三々五々好きなように散ってしまったので、封鎖した道路いっぱいに数百人が並ぶ画は撮れませんでした。その代わり、道路を横切って歩いてきた消防隊員がカメラに向かって「ハ~イ!」と手を振ってくれました。追悼という沈重なセレモニーが終わったら、いつもの陽気でフレンドリーなカナダ人でした。

消防隊員は英語でFirefighter

Firefighterは実に大変な仕事なのは言わずもがなですが、こちらカナダでは非常にリスペクトされています。

都市部に生まれ育った私は消防士といえば家やビルの消火活動などしか思い浮かびませんでしたが、『Only the Brave』(2017)という映画を観て初めて山火事に立ち向かう消防隊員がいることを知りました。この人たちはなぜこんな過酷な任務にも立ち向かおうとするのだろうか、恐ろしくないのだろうか、といろいろ考えさせられ、それまで以上に消防隊員を深くリスペクトするようになりました。

日本にいた時は山火事というのはどこか遠くの土地での出来事のような気がしていましたが、カナダに来てみると身近なものになりました。カナダは雨季以外は空気がとても乾燥し、山火事も毎年大規模なものが複数発生します。バンクーバーは都市部ではありますが、山も近く自然に囲まれた場所です。大規模な山火事が発生するとその影響を大きく受けます。昨年、数日間火の勢いが止まらない大規模な山火事があった際にはバンクーバーの空が煙で覆われ太陽が見えませんでした。空気の質も落ちました。

この時の私は『Only the Brave』を思い出していました。Firefighter達が命を賭けて山火事と闘ってくれているのだろう。怪我や殉職してしまうFirefighterが出ませんように。そして大雨が降ってくれていいので一刻も早く山火事が収まりますようにと毎日祈りました。

ひと頃日本で、消防隊員がコンビニでジュースを買ったことを見咎める人がいて論争が起きたことがありますね。消防隊員も人間です。喉も乾けばお腹も空きます。業務中に人として最低限の飲食をすることのどこがいけないのでしょうか。日本でも消防隊員がもっとリスペクトされていくと良いのにと思います。

自分で事実に当たることが大切

実は私、ガスタウンで数日前に大きな火事があったことを知りませんでした。そしてこのセレモニーがどういうものだったのか知りたかったので情報に当たってみました。すると、全く違う事実が出て来ました。

Vancouver Fire Captain Steve Letourneau氏の追悼セレモニーだったのですが、同氏はガスタウンの火事ではなく、数十年に渡る消防隊員としての業務で吸い込んだ化学物質による癌で亡くなったのだそうです。しかも20206月に逝去されたもののCovid-19のせいでセレモニーが行えず、今回やっと挙行できたとのことでした。

セレモニーについての記事を少し挙げておきますので、ご参照ください。

Global News: セレモニーの動画あり

https://globalnews.ca/news/8761237/vancouver-firefighter-funeral/

VANCOUVER IS AWESOME

https://www.vancouverisawesome.com/local-news/photos-respected-vancouver-fire-captain-gets-long-awaited-send-off-on-downtown-streets-5268796

参加人数は方や数百とあり、片や1500人以上となっています。私がカレッジの窓から目視できた人数は確かに数百人はいました。もしかすると坂の上にもっと多くの人がいたのかもしれませんし、「Over 1,500 people」とだけ書いてあるので、通行人も数に入れたのかもしれません。メディアの情報でさえ、こんなにもブレがあるものなのですね。

ガスタウンでの火事だの、参加人数が数百から1,500人以上だの、デマというのは、こうやって単なる推測や微妙に不確実な情報をしたり顔で語る人の言い分を信じた人が広げていくものなんだなと実感しました。自分で事実に当たり、きちんと裏を取っていくことが大切だと思いました。皆さんもメディアの情報に触れた際には鵜吞みにしてしまうのではなく、下手なデマに囚われてしまわないよう、裏を取ったり、話の筋が通っているのか検証するようにしてくださいね。

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