11月11日はリメンバランス・デイという祝日です。カレッジでは「休みになるのかどうか」と話題に上るようになり、何の祝日かと調べたところ戦争で亡くなられた兵士を追悼する日だと知りました。
赤いポピー
先だってから街で赤いポピーを胸などに付けた人を見かけるようになりました。初めて見かけた時は単なる可愛いブローチだなと思ったのでしたが、同じポピーを見かけることが多くなり、これは何か意味があるのではと気付きました。
そうするうち、カレッジに通う際に Vancouver City Centre の駅改札の外で駅弁売り(若い方は知らないかも?)のような小さなプレートのようなものを首からぶら下げているご老人を毎朝見かけるようになりました。ある朝、そのご老人とやりとりしている人を見かけて、ご老人が何を目的に毎朝そこにいるのかわかりました。
赤いポピー(のバッジ)を売っていたのです。正確には「売っている」とは言えないかもしれません。募金をしてくれた人に赤いポピーを渡すのです。日本でいえば「赤い羽根募金」(これも若い方は知らないかも?)のようなものなのだと察しました。
Masumi Mitsui Greenway
暫く前にトップ画像の標識を見つけました。どうみてもこれは日本人の名前でしょう、なぜこんな所に突然日本人の名前が出現したのだろう、と思いつつもすぐに調べず、すっかり記憶の彼方へ飛んでいっていました。
ところがこの数日、リメンバランス・デイの話題があちこちで語られる中で「ミツイ・マスミ」という名前を見つけ、ハッと気付いたのです。これはもしや、すっかり忘れていたけれど、あの標識のお名前ではと。
ミツイ・マスミ
そして知りました。1900年代初頭にカナダへ移住し、第一次世界大戦では日経カナダ人としてカナダ軍に入隊して戦い抜いた方だと。退役後も日系カナダ人の権利や福利の向上に尽力されたそうです。
しかし第二次世界大戦では敵国人とみなされ、スパイとしての疑いもかけられ、財産も没収された上に強制収容所に拘留されるという辛酸も経験しておられます。
けれどもこうしてお名前を冠した場所があるということは戦後ご本人の名誉は回復され、今ではその偉業を正しく評価してもらえているということなのでしょう。
思わぬ所に様々な歴史が隠れているのですね。また一つカナダと日本についての知識が増えたリメンバランス・デイでした。
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