カナダ全土でイースター直前の金曜日は、多くの州で法定休日(スタチュトリー・ホリデー)となります。学校や企業、多くのショップが門を閉じ、バンクーバーからハリファックスまで、街中が独特の静寂に包まれる一日です。
キリスト教徒にとって、この日は単なる休日ではありません。イエス・キリストが十字架にかけられた日を記念する、一年で最も厳かな意味を持つ日です。復活を祝う「イースター」という喜びの日の土台となった、尊い「犠牲」を記憶する時間なのです。
❓ なぜ悲劇の日を「グッド(良い)」と呼ぶのか?
イエスの死という悲劇をなぜ「良い」と表現するのでしょうか。それは、この自己犠牲こそが人類の救いへの道を開き、絶望に見えた死が「究極の愛の形」であり「希望の始まり」であると信じられているためです。英語ではその深い意義を込めて「Good Friday」と呼ばれます。
⏳ イースターへと続く「聖週間」の歩み
イースター前の1週間は「聖週間(Holy Week)」と呼ばれ、重要な出来事が重なります。
- 聖水曜日: 弟子の一人、ユダがイエスを裏切る約束をしたとされる日。
- 聖木曜日: 「最後の晩餐」の日。イエスは弟子たちの足を洗い、パンとワインを分かち合いました。
- グッドフライデー: 逮捕されたイエスが裁判にかけられ、十字架を背負ってゴルゴダの丘へと歩み、息を引き取った当日を指します。
🕯️ 伝統的な過ごし方と祈り
グッドフライデーは、静かな黙想と祈りの日です。
- カトリックの伝統: 断食や肉食を控える「節制」を行い、祭壇からは装飾が取り除かれます。イエスの受難を辿る「十字架の道行き」の祈りが捧げられます。
- 正教会の伝統: 「大金曜日」と呼ばれ、イエスの遺体が描かれた布(エピタフィオス)を運ぶ、非常に厳かな埋葬の礼拝が行われます。※正教会はユリウス暦を使用することが多いため、西欧の祝日と日付が異なる場合があります。
カナダの街が静まり返るこの日は、この国の文化や歴史の根底にある伝統に触れる絶好の機会です。留学生の皆さんも、賑やかな日常を少し離れ、自分自身を振り返る穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
参考:Good Friday | Meaning, History & Traditions – Video | Study.com
引用:CISM

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